AI活用の取り組みについて
目次

主権者意識向上委員会

AI活用の取り組みについて

議案業務における使い方と、確認の仕組み

主権者意識向上委員会 副委員長 宇川 和樹

私は、議案づくりに関わる事務作業の一部にAIを活用しています。
ただし、なぜこの事業を行うのかという骨子は、人が考えるものです。また、 議案が通ることは目的ではなく、足を運び協力を仰いで事業を動かすことが本番です。 AIを使う目的は、机上の作業を短くし、一日でも早くその段階に進むことにございます。
本資料は、はじめに人が考えるべきことを述べた上で、 何にAIを使い、どのように確認しながら進めているのかをご説明いたします。
他の委員会でも同じ形で始めていただけます。
本資料について
目的:私個人が行っているAI活用の内容と、確認の仕組みをご紹介するものです。
想定読者:名古屋青年会議所の役員各位、及び同様の取り組みをご検討される委員会。
お願い:お気づきの点やご意見を賜れますと幸いです。他の委員会へのご共有も歓迎いたします。
※ 本資料は個人の取り組みをまとめたものであり、主権者意識向上委員会として決定・承認された内容ではございません。

2026年9月7日 作成:宇川 和樹(公益社団法人名古屋青年会議所 主権者意識向上委員会 副委員長)

本資料は、他の委員会や関係各所にご共有いただいて差し支えございません。

要 点

本資料の要点

お忙しい方はこの1ページのみでも内容が伝わるよう、要点をまとめました。

1議案の骨子(なぜこの事業を行うのか)は、人が考えます。AIには委ねておりません。「なぜこれをやりたいのか」に自分の言葉で答えられる状態にすることが出発点です

該当章第1章

2議案が通ることは目的ではございません。足を運び、協力を仰ぎ、事業を動かすことが本番です

該当章2-1

3AIを使う目的は、机上の事務作業を短くし、一日でも早く足を運ぶ段階に進むことにございます

該当章2-1

4AIが担うのは、議事録の作成と議案への反映の2工程に限っております

該当章2-3

5あわせて、統一表記の照合や、理事長所信・委員会戦略シートとの整合の点検にも用いております

該当章第5章

6事実の確認、上程の可否、提出物の責任は、すべて人が持ちます。AIが挙げるのは「ずれている可能性のある箇所」までです

該当章第6章

7特別なシステムは使っておりません。録音機器・AI・共有フォルダがあれば、どの委員会でも同じ形で始められます

該当章第3章

一言で申し上げますと。骨子を固めるのは人、足を運ぶのも人。AIはその間にある机の上の作業を短くし、現場に出る時間を増やすために使っております。

この資料の構成

第1章議案づくりの出発点 ── 人が考えること

お読みいただきたい方全員

第2章なぜ、何にAIを使うのか

お読みいただきたい方全員

第3・4章仕組みと進め方

お読みいただきたい方導入をご検討される委員会

第5章AIによる点検 ── 確認しながら進める

お読みいただきたい方品質面をご確認される方

第6章人が責任を持つこと

お読みいただきたい方全員

第 1 章

議案づくりの出発点 ── 人が考えること

AIの話に入ります前に、はじめに申し上げておきたいことがございます。議案づくりの出発点は、なぜこの事業を行うのかという、人の思いです。ここはAIが代わることのできない部分です。

1-1. AIが関わる前に、決めておくこと

人が考えること(この章) 理事長所信を読み、 法人の方向を掴む 委員会に求められて いることを捉える 背景・目的・目指す べき状態を決める そこに至る手法を 考える AIが支えること(第2章以降) 固まった骨子を、文書として整える/方針とずれていないかを点検する 議事録を作成する/議案に反映する ※ 上段が固まっていないうちは、AIを使っても議案は形になりません。順序が逆になることはございません。
図1-1 骨子を固めるのは人です。AIはそのあとを支えます。

1-2. 人が決める4つのこと

背景

答えるべき問い何が問題で、その原因は何か

押さえどころ問題と原因をあわせて書きます。原因が弱いと必ずご指摘をいただきます

目的

答えるべき問い何を実現するのか

押さえどころ「意識」「想い」などの言葉のままにせず、行動として書けているかを確かめます

目指すべき状態

答えるべき問い年度末にどうなっていれば成功か

押さえどころ目的との順序を逆にしないようにいたします

手法

答えるべき問いどのような事業・例会でそこに至るのか

押さえどころ目的に対する手段になっているかを確かめます

1-3. 拠りどころは2つ

拠りどころ
読み取ること
理事長所信

その年度に法人全体が向かう方向。自分たちの事業が所信のどの部分に応えるのかを説明できる状態にいたします

委員会に求められていること

なぜこの委員会が置かれたのか。ここから設置背景・設置目的・目指すべき状態を導きます

この2つに照らして、自分たちの言葉で書きます。ここを人が通しておきませんと、後からいくら体裁を整えましても、議案は形になりません。

「なぜこれをやりたいのか」に、自分の言葉で答えられるか。諸会議では必ずこの点を問われます。そこに自分の言葉で答えられる状態になって、はじめて骨子が固まったといえます。AIに書かせた文章では、この問いに答えることはできません。骨子づくりをAIに委ねない理由は、ここにございます。

■ 第1章のまとめ

  • 議案づくりの出発点は「なぜこの事業を行うのか」という人の思いです。
  • 人が決めるのは、背景・目的・目指すべき状態・手法の4つ。理事長所信と、委員会に求められていることが拠りどころとなります。
  • 「なぜこれをやりたいのか」に自分の言葉で答えられる状態になって、はじめて骨子が固まったといえます。
  • ここが固まってから、AIの出番となります。順序が逆になることはございません。

第 2 章

なぜ、何にAIを使うのか

第1章の骨子が固まりましたら、そこからがAIの出番です。まず、なぜAIを使うのかからご説明いたします。

2-1. 議案が通ることは、目的ではございません

議案は、事業を実行するための承認をいただく手続きです。議案が通った時点では、まだ何も始まっておりません。事業が形になりますのは、関係各所に足を運び、協力を仰ぎ、実際に人が動いてからです。

机の上の作業 足を運び、事業を動かす = ここが本番 これまで 議案をつくる・整える・上程する 足を運ぶ AIが机の上の作業を短くする AIを使うと 短くなる 足を運ぶ時間が増える 机の上の作業 議事録の整形/PDF化/議案への反映/体裁の統一 本番の作業  高校への架電・訪問/教育委員会・選挙管理委員会との連携/講師への依頼/当日の運営/検証
図2-1 議案づくりは通過点です。AIの目的は、早く右側へ進むことにあります。
私が関わっている事業も、人が足を運んで初めて前に進みました。高校26校への架電、8校への訪問、名古屋市教育委員会及び選挙管理委員会との連携、講師4名への依頼と承諾のお願い、日本青年会議所や東海地区協議会との調整。議案は2月から9月まで毎月上程し、40版以上を重ねておりますどれ一つとして、机の前で完結したものはございません。

一方で、議事録の整形、PDF化、議案への反映、体裁の統一といった作業は、放っておきますと机の前の時間を増やしてまいります。この時間が長いほど、足を運ぶ段階に進むのが遅れます。

AIに任せているのは、まさにこの部分です。机上の作業を短くし、一日でも早く足を運ぶ段階に進むこと。これがAIを使う目的でございます。事務作業を速くすること自体が目的ではございません。

2-2. 一言で申し上げますと

打合せの録音から議事録をつくり、議案に反映するまでの事務作業を、
あらかじめ書いておいた手順書どおりにAIへ実行させています。

AIに考えさせているわけではございません。AIが担っているのは、決まったことを決まった形に整えて、決まった場所に置くという、時間はかかるが判断のいらない部分です。

2-3. 議案業務のなかでの担当範囲

議案業務の全工程 ① 事業を企画 ② 議案を書く ③ 打合せを行う ④ 議事録をつくる ⑤ 議案に反映 ⑥ 会議に上程 AIが担当する範囲 ①②③⑥は人が担当 ※ ②の下書き補助に 用いる場合も、内容の 責任は人が持ちます
図2-2 AIが担当しているのは、議事録の作成と議案への反映の2工程です。

2-4. 任せていることと、人が行うこと

AIに任せていること(整える仕事)

・話し言葉を書き言葉に整える
・統一表記ルールを適用して文言を揃える
・敬称を規定どおりに付ける
・フォント・配置など体裁を整える
・命名規則に従い、所定の場所に保存する
・定型の表に行を追加する
・記載内容の点検(第5章)

人が行うこと(決める仕事)

議案の骨子を固めること(第1章)
・発言が事実と合っているかの確認
・事業の企画・内容の決定
・予算の決定と支出の判断
・対外的な合意・お約束/上程の最終判断
・相手方への配慮が必要な表現の判断
・提出物の責任を負うこと
線引きの考え方:「間違っていた時に、やり直しがきくかどうか」で分けております。体裁は直せば済みますが、事実と違う発言が議案に載れば、相手方との信頼に関わります。やり直しがきくものはAIに、きかないものは人に。これが判断の基準です。

■ 第2章のまとめ

  • 議案が通ることは目的ではございません。事業は、足を運び協力を仰いで初めて形になります。AIの目的は、机上の作業を短くし、早く現場に出ることにあります。
  • AIに任せているのは「整える仕事」であり、「考える・決める仕事」ではありません。担当範囲は、議事録の作成と議案への反映の2工程に限っております。
  • 線引きは「やり直しがきくかどうか」。骨子・事実・判断・責任は人が持ちます。

第 3 章

仕組み ── 3つの準備

特別なシステムを組んでいるわけではございません。次の3つを準備しておくだけで成り立ちます。

1 ルールを 文章にしておく 体裁・表記・命名・置き場所を ファイルに書いておきます。 → 毎回同じ指示を出さずに済み、   誰が行っても同じ品質になります 2 置き場所を 決めておく 原本と提出用、触ってよいものと いけないものを分けます。 → 迷いがなくなり、確定した議案を   誤って書き換えることを防ぎます 3 人が確認する 場所を決めておく どこまで進んだら人が見るのかを 工程として組み込みます。 → 事実と違う記述が、そのまま   提出物になることを防ぎます
図3-1 3つの柱。どれか一つでも欠けますと、仕組みは回りません。

3-1. ルールとして書いておく内容

AIは、前回どのように指示したかを覚えておりません。そのためルールをファイルに書いておき、毎回それを読ませています。書いてあれば、新しく入った会員も同じ品質で作業できます。

項目
書いている内容
1文書の体裁

フォントの種類とサイズ、タイトルは中央揃え・日時は右揃え・本文は左揃え

2文章の作法

会話形式で書く、外部の方は「氏」を付け会員は姓のみ、話し言葉を書き言葉に直す

3表記のルール

統一表記は手元に写さず、総務チェッカー(正本)を毎回参照すると書いておく。写すと年度更新で必ず古くなります

4ファイル名の付け方

命名パターンと実例。ローマ字はヘボン式と指定

5置き場所

Word原本はどこ、提出用のPDFはどこかを明記

6やってはいけないこと

可決済みの議案は変更しない、総務室が作成するファイルには触らない

3-2. 置き場所の分け方

shiryo\g-shiryo\

入れるものWord原本

役割直せる形で残します。誤字の訂正や日付の修正はここで行います

shiryo\

入れるものPDF

役割提出する形。議案から参照されるのはこちらです

可決議案のフォルダ

入れるもの確定した議案

役割審議を経て確定しているため変更いたしません

■ 第3章のまとめ

  • 仕組みは3つの準備(ルールを書く/置き場所を決める/確認する場所を決める)で成り立ちます。
  • 統一表記ルールは要約せず、そのまま収録しています。これにより文言が自動的に規程に準拠します。
  • Word原本と提出用PDFを分け、確定した議案は物理的に別フォルダとしております。

第 4 章

進め方 ── 1回の作業の流れ

打合せ 録音し、文字起こしを行う STEP 1 AIが議事録を作成 話し言葉を書き言葉に整え、統一表記と敬称のルールを適用します あわせて決定事項と協議事項を立て、Word原本として保存します STEP 2 人が内容を確認(必ず行います) Wordを開き、事実と合っているかを確認します。修正があれば差し戻します ※ ここで確認が取れるまで、次の工程には進みません STEP 3 PDF化と議案への反映 PDFに変換して所定の場所へ格納します 議案本文の活動一覧と、参考資料一覧の2箇所を更新します 会員が行うこと ① 打合せを録音する ② 文字起こしを渡し、 一文で依頼する ③ できたWordを開いて 内容を確認する この3つだけです
図4-1 1回の作業の流れ。STEP 2 が人による確認の場です。
録音について:打合せの録音にあたっては、開始前に相手方のご了解をいただいております。また、記録には外部の方のご発言が含まれますので、共有する範囲に配慮しております。

■ 第4章のまとめ

  • 会員が行うのは「録音する」「文字起こしを渡す」「確認する」の3つです。
  • 議事録には会話の記録に加え、決定事項と協議事項を立てております。
  • STEP 2 の確認が取れるまで、PDF化と議案への反映には進みません。

第 5 章

AIによる点検 ── 確認しながら進める

AIは文書をつくるためだけでなく、できあがったものを点検するためにも用いております。表記や数値の照合だけでなく、その事業が理事長所信や委員会の方針と噛み合っているかという観点でも確認しております。

5-1. 二重の確認

① AIによる機械的な点検 ルールとの照合・数値の突き合わせ・ 日付の確認など、量が多く見落としやすい部分 → 誤りがあれば修正をかけます ② 人による内容の確認 事実と合っているか、相手方への配慮が 必要な表現でないかなど、判断を伴う部分 → 提出の可否を判断します
図5-1 機械にできることはAIが、判断を要することは人が確認いたします。

5-2. AIに点検させている内容

点検項目
内容
1統一表記の照合
(機械で候補、文脈は判断)

統一表記の辞書と文書を突き合わせて候補を挙げ、引用・条文・固有名詞かどうかを文脈で判断してから修正します。機械だけでは決められません(5-5)

2日付と曜日の照合

議事録に記載した曜日が、実際の暦と一致しているかを確認します

3添付資料の整合

Word原本・PDF・議案本文からのリンクの3点が揃っているかを突き合わせます

4フォーマットとの照合

その年度の議案フォーマット原本と項目構成が一致しているかを確認します

5方針との整合

理事長所信・委員会戦略シートと、事業の目的が噛み合っているかを確認します。次の 5-3 でご説明いたします

6本文と添付資料の値の一致
(導入を進めています)

議案本文の事業名・実施日時・会場・予算総額が、添付の予算書や見積一覧と一致しているかを確認します。過去に金額の食い違いのご指摘を実際にいただいており、ここが最も効きます

2〜4は機械的に判定できるため、そのまま実施しております。1は候補出しまでが機械で、採否は文脈の判断が要ります。5・6は、これまでにいただいたご指摘を踏まえて導入を進めているところです。

5-3. 方針との整合を確かめる

この点検は、第1章の作業が終わったあとの話です。背景・目的・目指すべき状態を人が決め、「なぜこれをやりたいのか」を自分の言葉で語れる状態になっていることが前提となります。AIに方針を読ませて事業を考えさせるのではなく、人が固めた骨子が方針とずれていないかを確かめるという順序でございます。

議案でまず問われますのは、その事業が法人と委員会の向かう方向と合っているかという点です。私も、戦略シートの段階で「理事長所信の趣旨と戦略シートの内容が対照的なのでご一考ください」というご指摘をいただいております。

AIは、手元の文書と照らし合わせて、ずれている箇所を挙げることを得意としております。そこで、次の3つの層で整合を確認しております。

① 理事長所信 その年度に法人全体が向かう方向 ② 委員会戦略シート 設置背景/設置目的/目指すべき状態 ③ 事業要綱 背景/ビジョン/目的 → 目的の検証計画 上下が一本の 線でつながって いるかを確認 ずれている箇所を AIが挙げ、 人が判断します ※ ①が抜けますと、諸会議で最初に問われる観点を事前に確認できません
図5-2 方針の3層。上位の方針から個別の事業まで、一本の線でつながっている必要があります。
照らし合わせるもの
確認する観点
理事長所信

法人が向かう方向と事業の目的が噛み合っているか。所信のどの部分に応える事業なのかを説明できるか

委員会戦略シート

設置背景・設置目的・目指すべき状態から外れていないか。手法が目的に対する手段になっているか

事業要綱・検証計画

背景で挙げた原因に目的が答えているか。目的の先に目指すべき状態があるか。検証計画で目的を測れているか

5-4. 進め方と、その限界

所信・戦略シート・議案の下書きをあわせてAIに渡し、「この3つに食い違いはないか、あるとすればどこか」を挙げさせます。挙がった箇所を人が読み、直すかどうかを判断いたします。

AIは「合っている/合っていない」を決めるものではございません。あくまでずれている可能性のある箇所を挙げるまでであり、方針に沿っているかどうかの判断は人が行います。事業に込めた思いは委員会のものであり、そこを委ねることはいたしません。
この点検には前提がございます。照らし合わせるには、理事長所信と委員会戦略シートを文書として手元に置いておく必要があります。私は②③を実施しておりますが、①については所信をファイルとして保管しておらず、今後の課題としております。年度当初に所信を一つ取り込んでおくだけで、最初に問われる観点を事前に確認できるようになります。

5-5. 実例 ── 本資料そのものを点検いたしました

統一表記の点検がどのように働くかを、本資料を含む一連の資料に適用した結果でご説明いたします。辞書から「誤った表記」と「正しい表記」の対応を抽出して照合し、挙がった候補を一つずつ文脈で判断してから修正いたしました。

誤った表記正しい表記修正備考
作る・創るつくる20以上「作成」等の熟語は対象外
分かるわかる13
とき14
全てすべて6
中に/うえでなかに/上で5/3
人材人財3定款の条文の引用は原文のまま
および/もとづく及び/基づく各1

このうちご発言の引用・定款の条文・固有名詞を除いたすべてを修正いたしました。修正後にもう一度照合し、残るのは引用と固有名詞のみであることを確認しております。

ただし、機械だけでは決められません。照合で挙がる候補には、「考える」「しています」のように語の一部がたまたま一致しただけのものが多数混ざります。「言う/いう」「良い/よい」のように文脈で使い分けるルールもあります。候補を挙げるのが機械、採否を決めるのは判断——この二段構えにしないと、正しい表記まで書き換えてしまいます。

5-6. 誤りが見つかった時の進め方

1辞書と照合し、該当しうる箇所を候補として一覧にします(ここまでが機械)
2一つずつ文脈を見て、引用・条文・固有名詞・語の一部の一致を除きます
3残りを修正いたします
4もう一度点検を行い、修正が反映されたことを確認します
5繰り返し検出される表記は、手順書に追記します
手順5が要となります。点検で見つかった内容をルールに書き足していきます。次に作成する文書では、最初から正しい表記で出力されるようになります。
辞書は、必ず正本から読みます。統一表記は毎年およそ2割が書き換わり、年度によって正誤が入れ替わる語もございます。そのため辞書を手元に写して持つと必ず古くなります上記の点検では手元の写しを使っており、この点は改善が必要です。総務チェッカーの実物を毎回読みに行く形にすることが、この点検を長く使う条件です。

■ 第5章のまとめ

  • AIは文書の作成だけでなく、日付と曜日の確認、添付資料の整合、フォーマットとの照合といった点検にも用いております。
  • 候補を挙げるのが機械、採否を決めるのは判断。統一表記も方針との整合も、AIが挙げるのは「該当しうる箇所」までで、決めるのは人です。
  • 本資料自体にも適用し、9種類・のべ60箇所以上を修正いたしました。辞書は毎年2割書き換わるため、必ず正本から読みます。

第 6 章

人が責任を持つこと

最後に、AIに委ねていない部分をあらためて整理いたします。

6-1. 三つの確認の場

確認すること
見る観点
議事録ができた時

会話の内容が事実と合っているか。日付・数字・固有名詞・お約束した事項を重点的に確認します

議案に反映した後

リンクが切れていないか、表が崩れていないか

上程の前

版を確定させ、内容が最新かどうかを通して確認します

6-2. 気をつけていること

内容
理由
1事実をつくらせない

AIは文脈から自然な発言を補うことがあります。文字起こしを唯一の根拠とし、そこにないことは書かせません。不明な箇所は [不明] と記載させます

2会話の記録だけで終わらせない

何が決まったのか、どこまで承諾をいただけたのかがわかるよう、決定事項と協議事項を必ず立てます

3確定した議案は触らせない

可決済みの議案を書き換えますと、承認そのものの意味が失われます。フォルダを分けた上で、手順書にも明記しております

4人の確認を飛ばさない

提出後には戻せません。確認が終わるまで次の工程に進まないことを、手順として定めております

5表記は組織の規程に従う

自己流のルールはつくりません。統一表記が改定された際は、そのファイルを差し替えるだけで全体に反映されます

6方針に沿うかどうかは人が決める

AIが挙げるのは「ずれている可能性のある箇所」までです。理事長所信や委員会の方針に沿っているかどうかの判断、そして事業に込める思いは、委員会が持ちます

7AIの出力をそのまま提出しない

提出物の責任は人が負います。AIは下書きと点検までを担い、提出の可否は人が判断いたします

6-3. おわりに

この仕組みの利点は、引継ぎにも表れます。ルールを書き溜めていきますと、それがそのまま次年度への引継ぎ資料になります。「担当者の頭のなかにしかない暗黙のやり方」が、文章として組織に残ってまいります。
最後に、あらためて申し上げます。議案が通ることは、事業の始まりに過ぎません。事業が形になりますのは、会員が足を運び、頭を下げ、協力を仰いでからです。AIに事務作業を任せる目的は、その時間を一日でも多く確保することにございます。机の前の時間を短くし、現場に出る時間を長くする。それが私の考えるAI活用でございます。

■ 第6章のまとめ

  • 人が確認する場面を3つ定め、工程に組み込んでおります。
  • 事実の確認、確定した議案の保護、提出可否の判断は、いずれも人が行います。
  • AIは下書きと点検までを担い、提出物の責任は人が負います。
  • 書き溜めたルールは、そのまま次年度への引継ぎ資料となります。
  • AIに事務作業を任せる目的は、足を運ぶ時間を一日でも多く確保することにございます。

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他の委員会での導入について

手順書とフォルダの型をそのままお渡しできます。最初の1本を一緒に作成することも可能です

本資料のご共有

他の委員会や関係各所へ、そのままご共有いただいて差し支えございません

公益社団法人名古屋青年会議所 主権者意識向上委員会
副委員長 宇川 和樹